著者:江上治
思っていたものと、相当に中身が違った。
物語っぽいものだろうと思って買ったのだが、それは165ページ中56ページまでだった。
しかも、その56ページ中、物語っぽいのは15ページくらいまでで、残りは統計の数字ばかりだった。
とはいっても、これを数字ばかりだと表現するのは、普段私がそういう数字を見慣れているからだろう。
初めて見る人にとっては、驚きの数字の連続なのかもしれない。
次の119ページまでが第1部で、これはきっちりとした日本の統計部分だった。
残りが筆者の語る内容で、多少自伝めいていて、何とも言えないが、感心する人が多いだろう内容だった。
最後、「老化するお金」について、大恐慌後のオーストリアで導入された時の話があった。
これはかなり面白い内容だった。
導入できるのならば、日本に導入してみるとよいと思う。
このお金は、使わないとすぐに価値が減ってしまうものだ。
だから、みんなこのお金を使った。
回転がよくなれば、経済効果が大きくなる。
失業者も減るし、日本の負債もなくなるのだ。
それと、イラストがなかなかよかった。
「サカモトセイジ」さん。
ただ、文が長かったので、イラストも多すぎる気がした。
時間があれば読む。時間がなければ読まなくてもいい。