著者:大村大次郎
坂本龍馬を、財政面から調査した本。
画期的と言ってもいいだろう。
この本を出せるのなら、もっと詳しいものが読んでみたいと思った。
しかし、ネタ的にこの程度しか上がらなかったという場合もありうる。
いずれにせよ、この本は龍馬と他の維新の志士たちとを分ける、お金の面に注目したということが素晴らしい。
龍馬は常にお金のことを考えながら取り組んでいたのに対して、他の維新の志士たちは、大義名分にこだわって活動していた。
むしろ、お金の面から大政奉還を考えていたというのは、幕府側の人間が多かったというのも驚きだった。
1つ残念なのは、由利公正。
彼は、公債を発行し、商人に買い取らせることで、戊辰戦争の費用を賄った。
しかし、「由利公正は財務官を追われたが、戊辰戦争の点は評価されるべきだろう」というのは、ちょっと渋い評価だ。
少し寂しい。
それから、大村大次郎というのが、ペンネームだということを知った。
国税のくせに、いい名前だな、と思っていたら、何と!
時間があれば読む。時間がなければ読まなくてもいい。